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コラム

子供のインフルエンザについて

2016.1.18 / 1:19 PM

小児科医師 武井智昭

子供のインフルエンザの初期症状は、大人と同様に風邪症状から始まります。その多くは、38度以上の発熱、鼻水、咳、喉の痛み等の症状が中心です。インフルエンザウイルスは、冬に風邪を引き起こすウイルスの1つですが、関節痛・筋肉痛・頭痛などの全身の症状が突然現れるのが特徴です。重症な合併症ですが、子供の場合には、けいれんが長時間続いたあと、意識障害が続く「インフルエンザ脳症」があります。

また新型インフルエンザA型の感染例では、気管支喘息(きかんしぜんそく)を合併している方には多いですが、急激に呼吸困難が進む肺炎の症例もあります。

いずれも、入院での治療が必要であります。一方、成人では、65歳以上の高齢の方や糖尿病などで治療中の方など免疫力の低下している方では、インフルエンザウイルスと細菌の両者による肺炎を併発する可能性が高いです。こちらも重症になり入院での治療を必要とすることがあります。インフルエンザウイルス感染は、一般的な風邪のウイルスよりも感染力が強く、特に冬場の11月頃から3月頃にかけて流行します。

子供のインフルエンザの診断には、成人と同様に鼻のぬぐい液からインフルエンザ抗原を検出する迅速診断法により行われています。約10分で診断ができます。この検査は発熱してウイルス量が十分に増えている12~24時間した時点が適切と考えられます。インフルエンザの治療はタミフル(内服薬 5日間:ただし、10代には行わない)、リレンザ(吸入液 5日間)、ラピアクタ(吸入液1回)、重症例ではラピアクタ(点滴薬)があります。

インフルエンザが流行時に、発熱したら「子供がインフルエンザで心配だから、検査をしてすぐして欲しい」という目的で受診をされる方もおります。この迅速検査が精度として高くなるのは発熱して12時間以降であり、検査を行うのも発熱12時間以降がおすすめです。

子供が、診察を受けてインフルエンザと診断された後のホームケアですが、意識がしっかりして顔色が良く水分がしっかりとれている状況であれば、処方されたインフルエンザウイルスの治療薬(内服・吸入薬)を解熱薬などと使用し、体を冷やしたりして状態の観察をすれば大丈夫です。発熱している時は、できるだけゆっくりと休養・栄養をとり、体力を回復させる事が重要です。

ただし、意識状態が悪い、痙攣している、呼吸が早い、顔色が悪い、水分がとれない、発熱が3日持続しているなど、全身状態が悪い時には必ず受診して下さい。

インフルエンザはまずは「予防する=かからない」ということが重要です。例年ではインフルエンザワクチンの皮下注射は10月~12月くらいに行われております。本年からは、インフルエンザワクチンの株は4つ(A型が2株、B型を1株から2株に増やした)となり、B型に関しての効果が期待されます。取り扱う医療機関は少ないですが、鼻にスプレーをするワクチンもあります。こちらのワクチンの対象は2~49歳であり、気管支喘息の持病がない方を対象に行われております。

インフルエンザの流行時期にできる予防法としては、手洗い・うがい・咳をしている時のマスク着用を行い、ウイルスにかかる患者を減らしていくことが必要と考えます。インフルエンザにかかる方が減ることにより、インフルエンザ脳症・肺炎の重症患者さんの数も減少する事が予想されます。インフルエンザの予防は、重症化を予防する事が重要であると考えます。