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コラム

ノロウイルス感染症に注意しましょう

2010.11.28 / 4:10 PM

12月が近づいてくると、一体いつ涼しくなるのか分からないと思えた今夏の暑さとは打って変わって、寒い日が続くようになってきました。

それと共にそろそろ街中の感染症も冬型に衣替えしてきています。

冬の感染症としてあまりに皆様の注目を集めているのはインフルエンザでしょう。ここ金沢区でもちらほらと発生が報告されるようになってきました。

しかし今回は、既に多くの患者さんが出始めているので、もうひとつの冬の重要な感染症であるノロウイルス感染症について触れておきたいと思います。

最近、嘔気、嘔吐、下痢のため来院する方が増えてきました。その大部分が、寒くなると流行する感染性胃腸炎と思われます。中でも、ノロウイルスによる胃腸炎が圧倒的に多くを占めます。今年は、国立感染症研究所の集計でも、この時期としては過去10年で2番目に多く、昨年の2倍以上だそうです。

ここ数年、毎年冬になると、種々の施設でのノロウイルス感染症の集団発生が報道されるようになっています。そのように食物を介して伝染し、集団で発生することもありますが、私たちが日常診療の中でよく見るのは、どこでもらったか分からないという方が圧倒的に多いのです。

典型的には、感染後1~2日して、嘔気・嘔吐・下痢・腹痛等が現れます。高熱の方もいますが、多くはせいぜい微熱です。重症度は様々で、けろっとしていて笑顔の見られる場合もありますが、顔色も青ざめ、苦痛の表情でぐったりしている場合もあります。後者の例では、点滴をすることもあります。特効薬はありませんから、対症療法でおさまるのを待つのですが、2~3日で終わることが多いようです。

脱水に気をつける必要があり、スポーツ飲料で補いながら、食べられるようになれば、おかゆ・うどんなどに卵・豆腐・麩・よく煮込まれた野菜などを加えて頂きましょう。

他に重要な注意点は、回りに広げないことです。御本人が排便後の手洗いを十分にするとともに、家族も調理前や食前には石鹸での十分な手洗いを励行してください。下痢が収まった後もしばらく便中にウイルスが出ますので、最低1週間は手洗いを励行しましょう。皆さんの注意で、ノロウイルス感染症のピークを迎えると言われる12月を無事に乗り切りましょう。

ところで、最近になってノロウイルスの迅速検査ができるようになってきました。小さな綿棒を肛門から直腸に挿入し粘液を取ってその中のウイルスの存否を調べます。15~20分で結果が分かりますので、今後の注意をする上でも大いに参考になるのですが、今のところ保険適用外となっています。当クリニックでは、2,500円の自己負担をして頂いています。

ノロウイルス以外の腸炎について触れておきます。冬はロタウイルス感染症による白色便性下痢も多いので、便の色にも注意してみてください。特にお子さんに多い感染症です。やはり脱水を起こしやすいのでぐったりする前に見せてください。

更に当クリニックでは11月に、キャンピロバクターによる腸炎が発生しています。これは、食生活の中で肉の生食が増えるために見られるようになったといわれています。レバ刺し、鳥刺し、ユッケ等が要注意です。冬に多いという意味で無く、肉の生食にも注意してください。

以上、冬の腸炎について述べさせて頂きました。

院長 小谷利克